Vol.15 歌川国芳「金魚づくし」

本年は歌川国芳没後150年目にあたり、静岡市立美術館ではこれまで最大規模の400点もの作品公開が展開されています。

歌川国芳「金魚づくし」は上記8枚が確認されていますが、
この度、新たに下の一枚が見つかり、今回の国芳展で初公開されました。

金魚づくし「ぼんぼん」

「ぼんぼん」とは昔の子どもたちの遊びで、 手を繋いで歌を歌いながら町内を歩いたものだそうです。
「ぼんぼんとても今日明日ばかり、あさってはお嫁のしおれ草・・・」というのは、松本市に残るぼんぼんの歌。

金魚が持っているうちわは金魚の餌のボウフラなどを掬う網で、柳の枝はマツモになっています。
中央の一番年下とおぼしきあどけない金魚の手を引くお姉さん金魚や、
小さなカエルの手をしっかり握る金魚など、子どもたちの表情が生き生きと捉えられています。

金魚づくしは計9枚になりましたが、9という数字は浮世絵の枚数としては半端なので、
あと1枚(偶数)存在していたはずだと関係者はにらんでいます。

ボテキンパラダイスかわら版の表紙の金魚は、この国芳の金魚にヒントを得て描いたものです。
未確認の金魚シリーズ、見つかるのが楽しみです!!

※画像は国芳絵はがき及び図録からの転用

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「ボテキンパラダイスかわら版」
Vol.15 2011.7.25発行
制作/高森春恵
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