Vol.69 河善陶器の姫茶碗
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姫茶碗の模様は蕪です。大きさを比較すると、
普通サイズのお茶碗よりかなり小さいのが分かります
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デザインがそのまま凝縮されてます。小さきことは良きことかな・・・
河善陶器は京都の台所、錦市場にあります。
錦市場は京都の中心地からも近く、いつも賑わっている観光スポット。
食べ物屋さんからお土産品、日用品などが軒を連ねています。
ご覧のように、崩れないか心配になるくらいに重ねられた器の数々。
店頭には色とりどりの珍味入れ、お店の中には普段使いの器がこれまたうずたかく積み上げられています。
隅々まで見て、掘り出し物を探すのも一興。
京料理に映える清水焼、少し古風なタイプの器が多いです。
普通のご飯茶碗の中に、見たことのない一回りも二回りも小さなお茶碗がありました。
あまりの可愛らしさに手に取ると、
「それ姫茶碗いうて、名前がいいですやろ。」
「あまり食べられんお年寄りとか、小さいお茶碗やと、あー今日もごはん一杯食べられたー嬉しいなー言うて、
ほなおかわりしようかなー食べられて良かったなー、嬉しいなーていうお茶碗ですねん。
」
お店のご主人が説明してくれました。
普通のお茶碗にご飯を半分だけ盛るのも少し気持ちが淋しいし、
かといって普通に盛ったご飯を食べきれなくて残すのも心苦しくて情けない・・・
こんなお茶碗があったのですね!!
しかも名前が姫茶碗と来たら、一気に姫茶碗のファンに決定!
後で調べると、昨今では糖尿病などで食事制限をしている人や、ダイエット中の人などに人気があるようです。
もちろん、子供用に使ってもOK。
ネットなどでも見つけました。
しかし
普通サイズのお茶碗がそのまま小さくなっただけでごつい印象・・・
やっぱり河善陶器の姫茶碗が、断然良い。
"姫"というのは"小さい"という意味で、お姫様が使う茶碗ではないけれど、
恭しくかしずかれた幼いお姫様が使うお茶碗と言ってもおかしくないですね。
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レトロな青い印判模様の茶碗コレクション。
名もなき工業製品ですが、こういうのなら質素な和食が俄然食べたくなるのです。。。
2013年12月4日、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
これをきっかけに、和文化回帰が進んで欲しいものです。
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「ボテキンパラダイスかわら版」
Vol.69 2013.12.15発行
制作/高森春恵
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