13 おきぬさん人形(群馬県)

さて、長野から群馬へやって来ました
世界遺産で有名になった群馬県伊勢崎市
養蚕農家に伝わる 「おきぬさん人形」のご紹介です

↓田島弥平旧宅案内所に飾ってあるおきぬさん人形

着物は布製で、頭部は昔はきびがらなどを使っていたが、現在は和紙を使用して作っているとのこと
髪型は三種、ハイカラ、島田、丸髷・・・とても簡略に作ってあり、どれがどれだか見分けがつかない?
基本、おきぬさん人形は赤前かけですが、いろいろあるようです
大きさなども作り手によって違うようです(あまり決まりはない)

↓私は少しアレンジして、髪型が三種それらしく見えるように作りました
あまり凝った造りだとおきぬさん人形に見えなくなってしまいますので難しい・・・
まゆの生産地ですから、顔は和紙でなく絹で、着物も銘仙のはぎれで伊勢崎らしい感じを出しました
おきぬさん人形には銘仙が合いますね
基本の赤前かけはそのままで、紐の色柄で個性をつけます

三人の中で力作はハイカラさん(写真左)
袴が似合いそうな若々しい雰囲気に見えますでしょうか?
(束髪は、 一歩間違えると志村けんのおばあさんみたいに見えてしまいます)
ハイカラさんは流行の最先端なので、半襟もオレンジのビビッドカラーで自己主張
前掛けの紐の結び方もちょっとこだわります
中央の丸髷の女性が一番年長、前掛けの色褪せ具合も年季が入っています
島田のお姉さんは、優しくてみんなから親われるタイプ、ピンクの半襟と紐で優しさを出しました
性格や物語を浮かべながら作るのも楽しいものです

おきぬさん人形の箱に敷いてある綿は、まゆの真綿です
軽くてふわふわです

↓いろいろなおきぬさん大集合
地元の方々が手作りしたおきぬさん人形
※画像出典 境島村公民館、伊勢崎市図書館

  

おきぬさん人形の伝説に出て来る女性が「お絹さん」・・・ごもっともな名前です
さすが絹の生産地だけある設定
色白で働き者で器量よし・・・昔話によくある理想の女性タイプです
やはり、白蛇を蚕に見立てたのではないでしょうか。

これからも全国の姉様を追い掛けて参ります!

2020.04.13

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