111 宇土の五人姉様(熊本県)

 

「日本の小さな姉様たち」
北から順番に姉様を探しながら南下し、オリジナル復刻を続けてきました
九州最後の県となりました
熊本県の宇土の五人姉様です

宇土の五人姉様は見本が多く残っています
昭和50年代頃まで、宇土張り子の作者である坂本カツさんが作られていました

↓見本1 日本郷土人形研究会 『姉様』(20cm)より

↓見本2 ハンドクラフトシリーズNo.47『姉さま人形』より

↓見本4 古書象々さんより 

  

↓見本5 オークション出品画像

坂本カツサイン入り(でかい)

 

写真右:一人だけ衣裳が違います
市松柄がなくなり、あり合わせで似たようなので間に合わせたのかも知れませんが、
私は、踊りのリーダーだと想像します(真ん中に置いてあげればいいのにな)
よく見ると、髪型がみんな違うようです

  

昭和50年頃という比較的新しい年代まで作られていたため、多くの作品が残りました

お七柄の鹿の子柄を色違いにしました
後ろ姿の画像もあったので、再現しやすかったです
ハンドクラフトシリーズNo.47『姉さま人形』で、エキグチクニオ氏が五人姉様を復刻されています
そちらの作り方も参考にしました

髪型が全員変えてみました〜

宇土の五人姉様の作り方

顔の作り方手順公開!!

↓竹串に綿(脱脂綿)を巻き付けます

↓茶色っぽい和紙(私は小川和紙桑ちり紙を使用)でキャンディー状にくるみます
なるべくシワが寄らないようにに首を絞り、糸で縛ります
頭頂部の余りは後ろに折り返してウラでのり付けします

 

↓鼻を付けます
実際は木くずを使ったそうですが、爪楊枝で代用
顔に接着するところは少し三角に削ります

↓白い布を貼ります(綿布・普通地)
澱粉糊と木工用ボンドを1:1くらいで混ぜて布に塗って貼ります
なるべくシワが出ないように注意
布はアゴくらいまでかぶっていれば良いです
鼻筋をしっかり出しておきます

 

↓富士額の三角と後頭部を黒のつや紙で貼ります(木工用ボンド)
後頭部は、三角に切れ込みを入れてうなじっぽい感じを出します

ここで、先に顔を描きます
目と眉を細いシャーペンでうっすら下書きしておきます
先に、赤ピンクのアイシャドウを塗って乾いてから目と眉を描きます

  

↓前髪と、両びんを顔のキワに貼ります
ツヤ紙は糊もボンドも効きにくいのでやっかいです・・・

↓デビルマンが5人出来ました

↓前髪と、両びんを丸めて後頭部で貼ります(木工用ボンド)

↓額帽子、桜の花をクラフトパンチで抜いて貼ります
桜は手のひらに置いて、真ん中を竹串で押してくぼませ、立体的にします

顔の出来上がり!
あとは、着物を着せるだけです


「日本の小さな姉様たち」
北は秋田〜南は沖縄まで、いろいろな資料を参考にオリジナル復刻し、日本を一通り巡回しました
九州の最後の県である熊本県が終わりましたので、
いったんシリーズを締めくくりたいと思います



2023年を締めくくる12月に最終回、そして最終話は111・・・キリが良いです♪

111は、 縁起の良い数字でエンジェルナンバーといいます
「新たなステップ」と「願いが現実となっていく」という意味があるそうです

姉様を調べて復刻するという作業は楽しかったです
印象に残っている姉様、苦労した姉様、気に入っている姉様・・・様々ですが、
私が姉様を作る時は、「もし、この姉様が作られた時代に生きていて、この姉様を作る人の側にいたら絶対教えを乞い一緒に作っていただろう」
いつもそんな気持ちで作っていました

姉様は特殊な機械や特別な道具を用いて作られていたわけではありません
誰かが手で作っていたのですから、手で作れないわけがないのです
その時代、気候風土などの土地柄がにじみ出ている郷土の姉様は素晴らしいものです
昔から、女性の夢のあらん限りを尽くし、夢を託されてきた姉様人形
今は今は忘れ去られて、見かけることもなくなりました
それでも、紙を使った日本ならではの姉様のデザイン・造形は現在でも色褪せません
自分なりに姉様の世界と、好きな物作りを融合させることが出来、長年の思いを形に出来て良かったと思います

これからも、新たな姉様を発見したら追加で「日本の小さな姉様たち」に加えていきたいと思います
長い間ご覧下さり、ありがとうございました
お力添え下さいました方々には厚く御礼申し上げます。




※参考資料


日本郷土人形研究会
『姉様』
ハンドクラフトシリーズNo.47『姉さま人形』
古書象々

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2023.12.15


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