40 雛祭り特別編 福岡の八朔雛(福岡県)
日本の小さな姉様たちでは「雛祭り特別編」シリーズをお届けします
古代の雛人形はとても質素な紙製でした
形も、人形と言うよりは<かたしろ>のようなものでした
人のけがれを移して川に流し、災厄を祓ったりしたのが始まりです
現在主流の座った雛人形ではなく、立った姿の立ちびなでした
これは姉様の出発点とも言える形です
姉様と雛人形は区別されていますが、そのルーツは関係ないものとは言い切れません
いにしえの「ひな」の形状から、姉様の創始を彷彿させるものをピックアップして辿って行きたいと思います
八朔とは八朔朔日(朔日とは毎月のついたちを指す)の略で、旧暦8月1日を指します
(現在の8月25日頃〜9月23日頃にあたります)
果物のハッサクは、8月1日頃に食べられるので八朔と呼ばれるようになりました
八朔に行事や雛祭りをする地域があります
瀬戸内海に面した地域が多いです
↓福岡県各地の八朔雛の資料です
それほど離れた地域ではないのに、それぞれ特徴のある4種の八朔雛があるのは興味深いです
右の画像は、大きいものが太宰府、小さい紙ものが甘木の八朔雛だと思われます
下段の画像は田主丸の八朔雛だと思われます
大きさ、色、素材は様々で、特に厳密な決まりはないようです
※画像出典 草の根工房 日本全国郷土玩具バーチャルミュージアム福岡篇
たつの市立龍野歴史文化資料館展示(2019年)風景 happykunブログより
八朔雛と名前がついてはいるが、同じ雛だから雛祭り特別編に加えます
早速、4種の八朔雛を真似しておひなさま作り開始!
背中側は不明なので適当にそれらしく作ります
↓田主丸の八朔雛
一番シンプルな形。お姫様のポーズが決まっていてなかなかよいです。
お姫様のヘアスタイルも、円形を半分に折るだけでおすべらかし風に見せているのがすごい。
私は着物を千代紙にしてやや華やかに。
殿様の袖のカーブと紐の蝶結びが女の子みたいなので、四角い袖と帯にしてみました。
↓甘木の八朔雛。
二人ともきりりとした袴姿で、両手を広げた形をしています
着物の男女差がほとんどないので、お姫様の袖を長く、殿様の袴の形を男袴風に変えました。
↓太宰府の八朔雛
太宰府の八朔雛は全て白紙に手書きの絵付け、という凝ったものです
絵柄は、殿様の袖に下がり藤、お姫様の裾に菊というパターンが多い。
どれもみなお化粧をしたように顔に紅を掃き、ニッコリ微笑んだ表情をしています。
お殿様が胸高の行燈袴でオカマみたいなので、馬乗り袴にして腰の位置も下げました。
お姫様は舞妓さんみたいな花飾りをやめ、おひなさまらしい平額の飾りにしました。
↓嘉穂町大隈の八朔雛
画像からは表情が分からないので、目鼻は付けませんでした。
袖口に縫い取りのあるリアルな装束、判を押したかのような模様、もしくは手描きの絵付けです。
丸く切り抜いた紋所風の千代紙を無地の白紙に貼りました。
かっこいい感じ出したかったので、お姫様は垂髪、殿様は陰陽師風のロングヘアに。
全員集合!
手近な材料で作れますので、ぜひ作って飾ってみましょう
2021.03.01
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