ご挨拶
今回、ひな祭りの時期にあわせ、姉様と紙雛を取りあげます。人形には手にもって遊ぶという要素があり、
子どもたちの遊び相手となってきました。姉様人形はその好例といえます。
また、祈りと玩具の要素を併せ持つ存在として紙雛があげられます。
各地の貴重な古い姉様人形と復刻された姉様人形、そして紙雛の展示を通し、
かつて人々の暮しの身近にあった人形たちがもつ魅力をご紹介します。
横浜人形の家
展示構成
1.姉様人形の歴史、素材や形などの特徴、作り方などポイントを紹介します。
鈴木常雄『姉様鑑』個人蔵
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2.新旧の各地の姉様大集合
旧鈴木常雄氏コレクション(中村浩訳氏所蔵)や館所蔵の各地の姉様人形と、
過去の作品や文献を基に復元された姉様人形(制作/高森春恵氏)を地域別に展示します。
↓神戸の姉様
旧 旧鈴木常雄コレクション(中村浩訳氏所蔵) |
新 制作 髙森春恵 |
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3.昭和期の手遊びの人形
移り変わり昭和期に入ると、姉様人形の人気には陰りが見える一方で、
中原淳一らによって「手作り」の良さが紹介され、少女や婦人層を中心に新たな「人形」文化が育まれました。
この時期の「手作りの人形」の例として、文化人形や和製フランス人形などを展示します。
↓川崎プッペ 横浜人形の家所蔵
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4.姉様人形の伝承
静岡市、鶴岡市、松本市では現在でも姉様人形が作り続けられています。
また、松江市でも姉様人形の制作を継承しようと活動が続けられています。
世代を超えて受け継がれる技と特徴を紹介します。
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5.紙雛
紙雛は紙製の一対の雛人形で、「ひとがた」という古い信仰に根ざした面影をもっています。
また「ひいな」と呼ばれる人形遊びがあったことも、紙雛の源流にあげられます。
信仰と遊び、これらは次第に変容し江戸時代に入ると現在の雛人形へと繋がっていきます。
姉様人形もこうした紙雛やひな祭りと重なる要素をもっています。
関連イベント
ワークショップ 髙森春恵「かしらあねさま」をつくろう 江戸姉様の頭(かしら)を作るワークショップです 日時/3/2(日) ①10:00-12:00 ②13:30-15:30 (各2回) 場所/横浜人形の家 3階イベントルーム |
トークショー 中村浩訳氏「姉様人形を語る」 「日本郷土玩具の会」会長の中村浩訳氏が 日時/3月23日(日)14:00~15:30 場所/横浜人形の家 4階あかいくつ劇場 定員/60名(事前予約制) 参加費/500円 ※別途、当日企画展チケットが必要になります 登壇/中村浩訳(「日本郷土玩具の会」会長) 申込/事前申込制 |
ギャラリートーク 担当学芸員による展示解説です 日時/2月9日(日)、2月16日(日)、3月2日(日) 参加無料(企画展チケットは必要になります) |
是非お出かけ下さい(^_^)