28 江戸あねさま・町女房<丸髷・割鹿の子・銀杏返し>(東京)


正統派の江戸あねさま
やはり江戸あねさまは、姉様界の頂点に立つ完成度
江戸あねさまの特徴は何といっても、身分・職業・年齢などで細かく別れていた江戸ファッションを忠実に表現していることです
芸者か町娘か分からないようなあねさまは、江戸あねさまとは言えないというのが心情です

昔も今もかしましい、たくましい、町の女房たち

↓町女房1<大丸髷>
丸髷は多くの女性が結った定番中の定番
髷の大きさは年齢によって変わりました
若向きの大丸髷は、お店に嫁入りした若女房のイメージ
しっかりものの器量よしで、大旦那に褒められそうなタイプ
若々しさを出しながらも、既婚者である落ち着き感のあるコーディネート

  

     

↓町女房2<割鹿の子>
丸髷を結っていた人の節約スタイルでもあります
丸髷が崩れてきたら、結い直すのではなく真ん中を割って鹿の子などをかけた髪型。
シンプルで清楚な丸髷に比べ、ちょっとお洒落で粋なスタイル
船宿や料理屋の女将、小唄の師匠、こちらも時代劇などでは多く見かける髪型です

  

↓町女房3<銀杏返し>
こちらも時代劇などではお馴染みのスタイル
銀杏の輪を大きくしたり小さくしたり、根を下げたり、飾りをいろいろ替えアレンジが豊富なため、
少女から年増、遊女まで幅広く結われたといいます
こちらは、地味目のこしらえで長屋のおかみさん風

   

江戸の女房たちは、自由に臨機応変に髪型を楽しんでいたのでしょう
活気のある町人の暮らしぶりが思い浮かぶようです

参考
※マコー社 武藤江戸あねさま
※ 「日本結髪278種」廣瀬辰五郎著

2020.09.01

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