29 江戸あねさま・アウトローな女たち<だるま返し・切天神・馬の尻尾>(東京)


正統派の江戸あねさま
やはり江戸あねさまは、姉様界の頂点に立つ完成度
江戸あねさまの特徴は何といっても、身分・職業・年齢などで細かく別れていた江戸ファッションを忠実に表現していることです
芸者か町娘か分からないようなあねさまは、江戸あねさまとは言えないというのが心情です

世間の裏街道を生きるはぐれ鳥系の女たち

↓だるま返し

いなせで粋な結い方、後の夜会巻きの前身
後ろから見ると、だるまの形そっくり、てっぺんのかんざし一本が効いています
歌舞伎や時代劇などではあまり出てこない髪型ですが、時代小説にはよく出て来ます
玄人風の着物に、柳結びの帯。

  

↓切り天神(きりてんじん)・片輪天神(かたわてんじん)

銀杏髷の輪の片方をざっくり切り落としているのが潔くも痛々しい
間男髷(まおとこまげ)とも呼ばれ、不義などの罪を犯した女性が結ったのだとか・・・
時代劇では、よく巾着切り(女すり)がこの頭をしています
女忍びが、三味線と笠を持ち旅芸人として扮していたりします
裾をからげ、前髪をわざとナナメにして毛先を前に出してアレンジしてみました

 

↓とさかの馬の尻尾

洗い髪を後ろに垂らし、先を丸めて束ねたシニョンスタイル、歌舞伎の土手のお六ふう
時代劇では、桶を抱えた風呂帰りの女がこんなふうにしています
馬の尻尾でもお富さんは前髪を結っていますが、お六さんは前髪ザンギリ
無造作に真ん中分けしてニワトリのとさかのようなので、とさかの馬の尻尾といいます
お六は昔、吉原土手で茶屋を営んでいました
吉原関係の女、という名残で今も帯を前結びにしています
そこいらの男では歯が立たない、凄みのある態度と度胸、しかし義理には厚いタイプ
相撲取りや渡世人が着るような太格子柄の着物に、茶の吉原つなぎの細帯が、かっこよく決まりました!

  

  

江戸あねさまには、数え切れないほど無数の髪型があります
どれも魅力的で、まだまだ作ってみたいものがたくさんあるのですが、ひとまず締めくくって、

次回はまた全国の姉様めぐりに戻ります!

参考
※マコー社 武藤江戸あねさま
※ 「日本結髪278種」廣瀬辰五郎著

2020.09.15

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