34 静岡の姉様(静岡県)


引き続き、静岡の姉様が登場です
姉様としては異色のとても可愛らしい姉様ですね

↓日本京人形研究会『姉様』より静岡の姉様
全長約23cm



丸く立体的な顔も、この表情も、あまり姉様にはないタイプ
これまでと違ってぐっと新しい表現で、より人形っぽくなっています

前髪の両側にビーズ(?)ふうの飾り、リリアンのひもが下がっています
着物は昭和初期のプリント折り紙、つや紙など

この姉様が、何故静岡に伝わっていたのか分かりません
当時の高知製のものと似ていることから、何らかの繋がりで考案されたのかも知れません
戦前に起きた大火(昭和15年の静岡大火)までは二体一組で売られていた、とあります
次の年には戦争が始まりました
一庶民の手内職で細々と作られ、露天や縁日、駄菓子屋やおもちゃ屋の店先にひっそりと置かれていたのでしょう
大きな災害や戦乱があったのでは、瞬く間になくなってしまい、
混乱が静まっても、新しい時代の怒濤の荒波の中では、あの時の姉様をもう一度作ろうなどとは思わなかったでしょう
今となっては資料の一文でしか確かめる術はありません

一生懸命真似したのですが、やはり表情は同じには描けません

昔ながらの千代紙と鹿の子などで、丁寧にはんなりと仕上げてみました
プラスチックやビーズなどの既製パーツより、紙や布の手作りの方が、紙の姉様には相性が良いです

   

4回シリーズの静岡姉様、次回はいよいよ締めくくりの姉様が登場です!

2020.12.01

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