42 雛祭り特別編 薩摩糸雛(鹿児島県)

日本の小さな姉様たちでは「雛祭り特別編」シリーズをお届けします
古代の雛人形はとても質素な紙製でした
形も、人形と言うよりは<かたしろ>のようなものでした
人のけがれを移して川に流し、災厄を祓ったりしたのが始まりです
現在主流の座った雛人形ではなく、立った姿の立ちびなでした
これは姉様の出発点とも言える形です
姉様と雛人形は区別されていますが、そのルーツは関係ないものとは言い切れません
いにしえの「ひな」の形状から、姉様の創始を彷彿させるものをピックアップして辿って行きたいと思います

薩摩地方に伝わる「薩摩糸びな」と呼ばれるお雛様です
鹿児島県を代表する工芸品として復活しました
目にしたことのある方も多いのではないでしょうか
細い細い顔に対して幅広の胴体が特徴です。着物の柄を見せるのが特徴のお雛様です

↓「薩摩糸びな」資料1

画像出典 日本全国郷土玩具バーチャルミュージアム 民芸館 鹿児島県篇より

大小いろいろなサイズがあります

↓「薩摩糸びな」資料2
画像出典 大阪府立図書館 人魚洞文庫 川崎巨泉画より

  

上の右の糸雛は、『上ハ四寸六部、コレヨリ下一尺三寸六分』とあります
身長約68cmの大型サイズ
金銀を用いて、とても豪華だったと思われます
顔には五色の糸をVの字に巻き付けたものがあります

普通のひな飾りにこんな郷土雛が飾られていたらカッコイイですね

2021.04.01

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