54 大原女人形(京都府)

残暑お見舞い申し上げます
雨が続いております
七夕特集が終わり、全国の姉様巡りに戻りました
涼しげな京都の大原女人形をご紹介します

玩具の始まりは、草花など自然素材を用いて作られていました
わらで馬などの動物を作ったり、きびがらで姉様を作ったり・・・麦わらも、昔から細工ものに用いられました
今はもう廃絶した、麦わらで出来た大原女人形というものがあります
とても素朴でシンプルなものです

※画像出典 大阪府立中之島図書館 おおさかeコレクション
川崎巨泉玩具帖 人魚道文庫より、大原女人形の絵図
川崎巨泉(1877〜1942年)明治時代から昭和時代にかけての浮世絵師、郷土玩具画家

  

複数ページに描き残されています
洛北・左京区山端河端町の記述有り
当時はメジャーな玩具だったのか、所持していた人も多かったのでしょう

↓大原女人形の実物画像(たぶん、とても貴重なものです)
※画像出典・引用元 オークション画像(出品者tutibinayaさん)

  

玩具帖の絵に描かれた大原女人形に間違いないと思われます
※説明に「京都、三宅八幡の麦藁細工の大原女です。戦後の一時期短期間復元されましたが、
作者が老女ですぐに再び廃絶してしまったもので珍しいものです。(22×10センチ)」
とあります
現存していたんですね・・・(オークションは終了し人手に渡りました)

田中緑紅(たなかりょっこう)1891〜1969年 京都の郷土史家
『京都神仏願懸重宝記』(昭和18年11月郷土文化研究会刊)の中で、
麦わら細工の土産を持っている人は皆、三宅八幡の参詣帰りだと述べています
参詣客が、笹に吊した大原女人形を下げて帰った光景が偲ばれます

川崎巨泉の大原女人形の絵を見たら、作らずにはいられない・・・
早速、見よう見まねでチャレンジです

  

取り寄せたものは、無漂白の六条大麦、着色した手芸材料の麦わら
六条大麦は香ばしい香りがします・・・外側の殻を一枚剥いてストロー状の茎を使用します
手足を無造作に束にすると、呪いのわら人形みたいに見えてしまうので、
腕は麦わら1本にし、手っ甲を付けているように紺和紙でくるみました
足は麦わら2本で白はばき(脚絆)をつけて元結で結び、わらじの紐を結んでいるふうの見た目にしました
顔は、麦わらを束ねた断面を正面にしたタイプもありますが、私は茎を見せるタイプに

赤だすきを加え、たもとを絡げているように見せ、今ふうの大原女っぽくアレンジ
手ぬぐいは、一歩間違えると剣道の稽古か防空頭巾状態に見えてしまうので難しい・・・

前髪をつけて、紺前掛けのタイプも作ってみました
頭上の麦わらは、後ろをわざと不揃いにして薪のような雰囲気に

  

玩具帖には笹の長さ三尺、とあります
笹の枝に吊した大原女人形を持ち歩く姿はさぞや風情があったことでしょう
ちなみに大原女は、最近は「おおはらめ」と呼ぶことが多いらしいです
京都を代表する行商の女性たち、大原女(おはらめ)、桂女(かつらめ)、白川女(しらかわめ)
大原女(おはらめ):洛北大原の農家の女性たちが薪や炭などを頭に乗せ、京の町へ売り歩いた
桂女(かつらめ):桂の里に住む鮎瓜の商人で、頭に白い布を巻いて鮎や瓜などを売った
白川女(しらかわめ):北白川付近の女性たちで「花いらんかえー」と比叡山のすそ野の花畑の花を売り歩いた、とのことです
さすが京都、雅な名前をつけますね

参考資料

大阪府立中之島図書館
『三宅八幡信仰記』矢野貫一

大原観光保勝会 https://kyoto-ohara-kankouhoshoukai.net/oharame/

2021.08.15

53七夕特集・松本の七夕(長野県) 54大原女人形(京都府)→ 55伊賀の姉様(三重県)