78 きびがら特集 下伊那のきびがら姉様(長野県)

 

日本の小さな姉様たちは、きびがら姉様の特集をお届けします
全国にきびがら(トウモロコシの皮)で作った姉様はたくさんあったと思います
夏にたくさん収穫されるトウモロコシ、その皮を利用したものは海外にもあります
コーンハスクドールや、皮に具を包んで蒸すメキシコ料理、
馬産地の青森県十和田市では、飼育用のトウモロコシの皮を裂いて紐状にしスリッパを編みました
トウモロコシの皮は丈夫で長年経ってもほとんど変質しません
素朴なきびがら姉様は格別の魅力があります

静岡県から長野県へ
ちょうど県境に面している南信州
下伊那郡はこんな感じ
何故か真ん中の飯田市に分断されている下伊那郡


余談ですが、高森町というのがあります
リンゴ畑が有名です



↓長野県下伊那のきびがら姉様

参考にした姉様は布の着物を着ています
見た目はとっても地味
古着のはぎれでしょうか、ちゃんと着物型に縫ってあります
おはしょりもあって、おくみなども付けてあるようです
袖の丸みも付いてるし
小さいので縫うのは大変です

顔の作り方は独特です
丸いびんと顔は一枚のトウモロコシです
顔の輪郭が浮き上がって見えるのは中に芯が入っているから

これと似たような作り方をしている、福井の古い姉様があります
長野、岐阜、福井・・・
山あい地域での共通点があるのかも知れません


※画像出典 日本玩具博物館

私は紙で代用しました
トウモロコシの皮の幅が狭く、サイズはたぶん実物よりかなり小さい
これに布の着物を縫って着せようとすると、厚みが出てモコモコになってしまう
雰囲気出たかな?

 

↓こちらは5体の姉様です

ずいぶん前にネットで見つけ、画像だけ保存していたものです
出展先が不明になってしまい詳しいことが分かりません

確か、どなたかのブログの画像でした
どこかの民芸館を訪ねた折の展示物(たぶん企画展)を撮影したもの
(松本民芸館の可能性あり)

どうやって作っあるのかよく分かりません・・・
下伊那のきびがら姉様と同じ方式だと思われますが
こちらはびんをくるくる丸めるのではなく、ただつまんでいるだけのように見えます

↓一生懸命真似をして、こんな感じ
名称札が面白いですね

 

やはり、行方不明という髪型が混じっているのが面白いです
おきぬさん人形に「ハイカラ」が混じっているのと同じような感じです
作られたときの時代感が出ています

13 おきぬさん人形(群馬県)2020.04.13

 

↓行方不明という髪型はコチラ

※画像出典 美・日本髪 Nihongami from Japan 林照乃作品集
「行方不明」より

素朴なきびがら姉様は、姉様の原点です
昔はきびがら(トウモロコシの皮)や稲の切り株、草花などで姉様を作りました
素朴で、何ともいえない味わいがあり大好きです


※参考資料
日本玩具博物館

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2022.08.15


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