15 シュール顔姉様(千葉県)

埼玉から、東京をちょっとまたいで千葉県へやってきました
関東近郊の県では、東京から入ってきた東京の姉様そっくりのものが多いのです
千葉県も、特に東京都に隣接している地域では区別がつかずに産地を特定することが出来ません
下記の図は、数少ない千葉県の姉様の資料

↓写真左:安房郡の姉様 右:千葉市の姉様(日本郷土人形研究会『姉様』より)
包装紙や折り紙などの手近な材料で、ごく簡単に作られた姉様

東京式の姉様に顔が付いています
・・・でも、そこに顔を付ける?
左の姉様は細長い顔紙をびんたぼに貼り付けてしまったので、首の処理が難しくなってしまいました
顔の幅そのままで太い首になっているメタボ姉様
左は、首を太くしたくなかったのでしょう、顔をびんたぼに巻き付けていますがかえってシュールなことに

しかも、不思議すぎる表情
鼻が横向き、虚ろで儚げで、淋しそう
誰かが描いて付けちゃった?
これでいい?って人に聞くのも面倒臭いから、もうこれでいいよね?って感じの顔
資料の印刷が不鮮明なのでよく分かりませんが、
説明では紙に印刷かゴム印を押してあるようだと書かれています
この角度からでは前髪の有無も、後ろがどんな髪型かも不明です

↓分からないところは想像しながら、おそらく前髪はないと思いました
顔はよく観察しながらトレースしたのですが、やっぱり少し違うかな・・・?
でも、雰囲気は出ていると思います

   

↓後ろから見ると普通

東京式を真似たと思われるので、この程度の髪型のバリエーションはあったのではないかと想像して作りました
帯も、よくある感じの簡単なものにしました
衣装は、包装紙や安価な千代紙セットで

東京の姉様は、遊ぶための人形という意味合いより
後ろ向きに置いて飾り、髪型や帯を鑑賞する粋なものという位置づけなので、顔に目鼻はありません
シンプルにして粋なもの、なのですが
人形としたら顔がないのは、不自然だとか怖いとか、なんで顔が付いていないんだ、と
田舎の人は、都会の粋さを理解しかねたのでしょう

ご当地姉様をじっくり見ると面白いですね

これからも全国の姉様を追い掛けて参ります!

2020.04.20

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