76 きびがら特集 山形のきびがら姉様(山形県)


 

いつも「日本の小さな姉様たち」をありがとうございます
この夏は、きびがら姉様の特集をお届けします
全国にきびがら(トウモロコシの皮)で作った姉様はたくさんあったと思います
夏にたくさん収穫されるトウモロコシ、その皮を利用したものは海外にもあります
コーンハスクドールや、皮に具を包んで蒸すメキシコ料理、
馬産地の青森県十和田市では、飼育用のトウモロコシの皮を裂いて紐状にしスリッパを編みました
トウモロコシの皮は丈夫で長年経ってもほとんど変質しません
素朴なきびがら姉様は格別の魅力があります

吉田慶二著の『続紙ひな』より、山形の古いきびがら姉様を復刻してみました
吉田慶二氏は昭和初期の郷土玩具研究家で、数多くの著書があります
姉様の傾倒も深く、『続紙ひな』では山形の姉様について詳しい記述があります
『続紙ひな』は、昭和35年(1960年)に吉田慶二氏自身が発行した30部限定の非売品手製本
自ら描いた姉様の図と手描き文章で、ガリ版刷りの上から絵の具で着色されています

↓『続紙ひな 』の表紙と奥付
わずか20ページの和綴じ本ですが、昔の和紙がとても味わい深いです

 

↓その中から3種の姉様を制作


↓作り方なども図解入りで詳しく書かれています


※画像出典 『紙ひな』吉田慶二

↓二百三高地髷(にひゃくさんこうちまげ)とはコレ

明治時代に流行した束髪の一つで、額の上に大きく高く張り出したボリュームのある結い方のこと。
二百三高地とは中国北東部にある203mある丘陵地で、日露戦争(明治37年〜38年・1904年〜1905年)の舞台となった。
髪型の流行時期と、二百三高地での激戦が重なったことから名付けられたもので、
「女性をなかなか口説けず、落ちない」という意にもかけられていたそう。

言われてみれば二百三高地髷に見えます
帯だけが布製で、矢の字結びに結ばれています
飾り気なくシンプルですが、とても可愛らしいですね

 

↓こちらは首だけの素朴なスタイルのきびがら姉様


※画像出典 『紙ひな』吉田慶二

『山形市上町に住む庄司さんという80余の老女が昔作ったということを聞き、
人を介して作り方を聞いてもらって、更に私が復活したもの』とあります
すごい熱心な追求心です

↓こちらは山形県紅北町の工芸品のきびがら姉様


※画像出典 『ふるさとの玩具』佐藤研氏

きびがらの姉様2種とドライフラワーの紅花が添えられています
紅北町は紅花の産地
ひな市やどんが祭りの露天で、様々なきびがら細工とともに売られていたそうです

 

紅花は紙で作ってみました


※参考資料
ふるさとの玩具 佐藤 研 http://www.asahi-net.or.jp/~vc3k-nrm/

吉田慶事二『紙ひな』

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2022.07.15


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