22 江戸あねさま・町娘<結綿・おしどり>(東京)


正統派江戸あねさまの登場です

やはり江戸あねさまは、姉様界の頂点に立つ完成度
江戸あねさまの特徴は何といっても、身分・職業・年齢などで細かく別れていた江戸ファッションを忠実に表現していることです
芸者か町娘か分からないようなあねさまは、江戸あねさまとは言えないというのが心情です
参考にしたのは、武藤てう(ちょう)氏が創始の武藤江戸あねさま
私が最も好きな姉様のスタイルです
喜多川守貞の『守貞漫稿』にある姉様の形そのままに、江戸らしい粋を追求し洗練された姿です
基本、須崎半紙一枚で作り上げる頭部、紙を無駄にしない合理的な型紙なのがすごいです
多くの姉様は、この江戸あねさまを元として作られています

江戸あねさまは、町娘からスタート!

恋の悩みが深刻な二人、お七
とお染


↓結綿のお七
典型的なお七装束。麻の葉模様の着物に黒縁の長い帯、大きな前挿しの花櫛が自慢
愛しの吉三さまに会えるためなら、火付けしてでも思いを遂げたい超絶リリカルタイプ

  

  

↓おしどりのお染

歌舞伎では黒や紫の大人っぽい着物のお染。後ろの髷が、おしどりのしっぽのようなのでおしどりといいます
歌舞伎のお染の真似をして、耳じけ(両サイドの耳の後ろから下がる垂れ髪)付きにしてみました。
久松の田舎には久松のいいなずけのお光がいるにもかかわらず、彼の実家へ押しかけ、
一緒になれないなら死をもいとわぬ覚悟という超絶自己中タイプ

  

  

現実では考えられない柄ON柄の派手色重ねでも、姉様になると不思議とまとまってしまいます

↓頭の挿しもの

大きな前挿しの花櫛はかのこを一列ずつ切って貼り付けます
紙のあねさまには、プラスチックや金属のパーツは合いません
紙や布でそれらしく見せるのが一番

しばらく江戸あねさまが続きます!

参考
※マコー社 武藤江戸あねさま
※ 「日本結髪278種」廣瀬辰五郎著

2020.06.15

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